職場のかわいそうな人

職場にはかわいそうな人がいる

私は人間の扱い方や心理状態を探るというクセがある。

社会人になったすぐから人の上に立ち、人の扱い方に悩んでいたせいもあるんだろう。

でも、よく考えると、小さい頃から人の扱い方が難し過ぎて、保育園児の時から悩んでいたような気もする。

小さい頃から、周りの人達に振り回され気味だったから、変な才能が備わったという感じか…。

 

『この人…一体何が言いたいんだろう…??』

『この人の行動は、目的何…??』

『それが何の関係があるんだ…??』

『何で、関係ない事しか喋れないんだ…??』

『こいつの頭、どうなってんだ…??』

毎日が、こういう状態。

一時期、自分が日本語がまともに理解が出来ない人間かも知れないとまで悩んだ。

他の人達は会話になっているらしく、トークに興じているという状態の中、私はその会話が理解できないなんてのが当たり前という状態。

でも、仕事に関係のない、どうでもいい話しかしない人は、話が噛み合う必要もない。

必死に、相手に合わせて気に入られようと同調ばかりを繰り返しているだけ。

こういう心理状態が見えずに言葉をそのまま理解しようとしたら、周りの人間見てると頭が狂うと思う。

発達障害だ…この男

一部上場の大手企業に、おかしな男がいた。

営業なのに事務所の机に座り込んで、営業活動をしない。

ほとんど基本給だけで生きている営業マンのようだ。

意外と大手企業には、こういうお荷物社員がよくいる。

人数の多い企業というのは、こういう能無し社員を賄える余裕があるから。

 

この男がおかしいと思うのはこんなとこ。

  • 人と人を比べてどっちが勝っているかを述べ始める
  • 人の事を我が事のように自慢する
  • 怒られて泣いた数秒後には馬鹿笑いしてる
  • 怒られたにも関わらず、怒られた事を続ける
  • 人をバカにするのに必死過ぎ

何をやらせてもてんでダメというのが、数日見ていれば分かるような感じ。

自分は他人より劣るため自慢する事がないのだが、とにかく人に勝ちたいという意識が強く、人に向かって自分以外の人間の業績を自分の事のように自慢して、なぜか勝ち誇った顔をする。

 

営業活動を一切しようとしないため、当然の如く毎度のように怒られる。

怒られると泣き始めるのだが、この男はもう40歳代後半といういい年したオッサン。

怒られて年甲斐もなく涙を流すのにもドン引くが、怒られ終わって席に着いた途端、隣の事務員に話しかけくっちゃべり始める。

常識のない行為を働くなと思ったら、いきなり馬鹿笑いするからビックリする。

さっきまで、泣いてたのに。

自分が置かれている状況が全く読めないというのが、表情や行為を見ていると手に取るように分かるのだ。

 

営業成績が悪く、事務所に座り込んで動かないため、キツク注意をされると、メチャメチャ怯んだ顔をする。

今にも泣きそうな顔だ。

そんな顔をしていたにも関わらず、怒られ終わるとまた席に着き動こうとしない。

いつものように自分の馴れた人間に喋りかけ、ワンパターンなトークばかりに興じている。

彼のトークはいつも、誰かをバカにする事。

その様を見ていると、人をバカにする事に必死になってしまっている。

どうやら彼は、怒られたという事実や出来ない自分を正当化するのが、『人をバカにする事』のようだ。

見ている限りで営業なんか無理だし、社会人として働くのもちょっと難しいんじゃないかという感じの人。

 

この男は接触すると反応が普通じゃなかった。

馴れている自分に優しい人としか喋れないらしく、仕事の事で簡単な事を聞いても答えられない。

じっとこちらを阿呆のような面で見つめていたと思ったら、自分のお気に入りの人のところに走って逃げていき、話しかけた人間の悪口を一生懸命言い始めるのだ。

仕事の会話がまともに出来ない。

…というか、「私のボールペン知りません?」こんな質問にすら対応できないのである。

 

仕事でやり取りが出来ないとみなした人間に、私は超冷たい。

冷たいというか、返答が返ってこない人と話すのは時間のムダという考え。

仕事の話が出来ないような社員は珍しくはない。

よくいるのだ。

いくら何を聞いても何も答えられないのは経験上、よく知っている。

 

よく仕事場で泣く40歳代後半の彼は、私の嫌味や陰口を言う事に拍車がかかって来た。

彼が私の事を必死になってバカにしようとしているのは、私に無視された事で『バカにされている』と感じたからかもしれない。

事ある毎に何か遠くから私に向かって吐き捨てるように変な自慢をしてきていた。

私とサシで接触を図るのが怖いらしく、かなり離れた所から聞こえよがしにやるという、自分の身の安全を確保しているっぽい感じがウケた。

 

「○○さんはあんな奴より、仕事が出来るんだ」

「あいつは○○さんが行くような、こんなお洒落な店は行った事がないんだよ」

「あんな学校を出た奴なんかは使えないんだ!○○さんは△△大学出てるんだ」

こんな感じの相手するのもあほらしい事ばかり言っていた。

なぜ、私の事をそんなに異常なほど意識しているのかと思っていたら、私が作成した資料を持って行くと契約率が上がったなんて言っている噂を聞いた。

要するに、会社に勤めて20数年の彼と、途中入社1年ほどの私の力量の差が、ハッキリ出たという事。

 

彼は私が一人で仕事をしていると、アホな事務員と結託して嫌味満載の空間作りに勤しんで、仕事の邪魔をしてくれた。

そんな時、聞いちゃいけない事を聞いてしまった。

他に人がいないという状況で、それは一言一句綺麗に聞き取れた。

彼はポンコツのため、いつも誰かの事を我が事のように自慢してくるのだが、この時初めて自分の事を自慢して来た。

「俺はあいつみたいに陰気臭くないんだよ」

「小さい頃から、授業中にウロウロしたり大声で騒いだりして先生に怒られてる元気な子だったんだからね」

「授業中じっとしてられなくて、毎日毎日歩き回ってたんだ」

 

この彼の発言を聞いた時、心の中で『あっ…!』って思った。

この人、発達障害だ…。

いわゆるADHDの特徴がモロに出ている人だった。

じっとしている事が出来ないような行動は大人になっても目に付く。

しかも過度なお喋りが、場所をわきまえず出てくる。

状況把握能が全く出来ない…。

 

ADHDというのは、人と自分を比較するというのが合併症状として現れるらしく、劣等感から二次障害を引き起こすらしい。

自分と人を比べると負けるから、人と人を比べるクセが付いたのかも知れないな。

発達障害の典型的な行動を、自分の自慢として言ってしまう彼に返す言葉は見当たらない…。

あの子は…かわいそうな子なんだよ

新卒で入った会社の先輩に、よく問題を起こす人がいた。

新入りの私は、問題を起こす先輩の格好の標的にされてしまった。

私が入ってくるまでは、下っ端扱いとうかゴミのような扱いで、他の社員から結構乱暴な扱いをされていた。

この人がやる事に周りの人はイライラをぶつけて気晴らしに使っているようにも見えた。

先輩が何かすると、周りの人達はとにかく苛立っていた。

 

自分より下っ端の私がが入ってきた事にハッスルしてしまい、自分がやらなきゃいけない事を私に全て押し付けてこようとしたり、私に対して命令をして嬉し気な表情を浮かべていた。

しかし先輩の下す命令は、トンチンカン。

トンチンカン過ぎる命令を確かめようと確認の質問をすると、さらなるトンチンカンな世界を繰り広げるため、あまり追及してはいけない人である事は早めに分かった。

さらに、先輩に押し付けられた仕事をさせられて驚愕した。

「こんな仕事…この部署はしなくていいのに」

「これがこの人の仕事なんだ…」

「しかも、月に3日分くらいしか業務が無いんだこの人…」

「…ってか、この人3日もかけてるけど、1日あれば終わるし…」

周りの人からイライラのはけ口にされ、仕事は本業とは別次元の事をやっている。

『この人って…何?』

この疑惑は口に出してはいけないというのは、世間知らずの若い私にも薄々分かる事だった。

 

先輩が私に仕事を押し付けているという事が経営者の耳に入ったらしく、先輩はこっぴどく怒られ、私は役員室に連れていかれた。

「あの子はね…かわいそうな子なんだよ」

経営者はそう言うと、意味が分かるよねという風な顔で私の顔を「ん?」と首を傾げるような感じで笑いかけて来た。

笑いかける経営者の表情は、困ったように笑っているという感じ。

 

「あの子はね、かわいそうな子だから、うちのような大きな会社じゃなくちゃ面倒は見れないんだ」

「…分かるよね?」

「私にも詳しい事は分からないんだが、なんて言うか…かわいそうな子なんだよ」

「ここから追い出したら、行くところが無いんだ」

「…分かるよね?」

「かわいそうな人も、生きて行かなくちゃいけないんだ」

「…ん?」

「あの子ね、知り合いから頼まれた子なんだよ」

「あんな風だから、親も心配だろうしね」

「分かってくれるよね?」

何か言う度に「分かるよね?」とか「ん?」とか、私がこの事を理解できるか確かめながら、優し~く話してきた。

ブチ切れキャラの経営者が、仏のような穏やかさだった事にも衝撃を受けた。

 

その事実を聞かされた私は、まぁ…先輩の回りには変な空気が流れていたし、話すと分けわかんない事ばっかり言ってくるし、経営者の言う『かわいそう』と、私の見受けたところの『かわいそう』が同じかどうかはよく分からないが、とりあえず『かわいそう』という表現に値するところは多々あったから、何気に納得。

「よくは分からないけど、よく分かる」

などと意味の分からぬ返事を経営者に返すと、「そう、俺もそういう感じなの」って言う。

 

私に特に先輩を嫌っているような言動も見られないためか、先輩の面倒を見てくれと頼まれた。

「入社したての君にこんな事を頼むのは非常識なのは百も承知で頼んでいる」

「他の社員にあの子を見れるような社員は居ないんだ…」

「これはこれで情けない話なんだけどね、あの子だけが劣っているんじゃなくて、他の社員も似たり寄ったりのレベルだから、そういう子を任せられる人がいないんだ」

「あんまりまともな人っていないんだよ、それが現実なんだ」

面倒を見るってのが、この時はまだよく分かっていなかった。

 

日を増すごとに先輩の行動がおかしくなっていった。

日に日にパワーアップしていく先輩が、手に負えなくなってきた。

『あの子はかわいそうだから、面倒を看てあげて』

経営者のこの言葉の意味がよく分かった。

 

先輩はおかしな感情をそのまま行動に出す人だった。

かなり衝動的な行動が多く、攻撃対象は私だった。

なぜか、攻撃されながら先輩をなだめすかし面倒を看るという複雑な状況。

 

先輩の衝動的な行動の根源となる感情はジェラシーだった。

役員室に呼ばれて現状報告をする私に対してジェラシーを抱いたようなのだ。

自分とは喋ってもくれない経営者が、新入社員を内線で呼んでは毎日何かを話している。

この状況に先輩は耐えがたいジェラシーを感じていたようだった。

私に仕事を押し付けて怒られたのも、自分のせいだとは思わないようで、私のせいで起こられたと因縁をつけて来た。

 

経営者は先輩の事は一切相手にしなかった。

相手にすると、自分を相手にしてくれる人から離れなくなり、経営者という立場の人間を異常なほど特別視しているため、相手をすると勘違いを起こしおかしな行動に拍車がかかるからという理由だった。

異常なほど自分が執着されているのを、経営者は分っていたようだ。

 

徐々に先輩が自分の所属している部署とはお門違いの仕事をしている理由も分かった。

仕事で分からない事に直面すると、おかしな行動を取り始め、大騒ぎして仕事を手放すクセがあった。

「お前のせいで!」

「これはお前がする事だろ!」

任されても仕事を遂行するという事が出来ず、途中で人のせいにして放り投げてしまうのだ。

だから、責任の無い仕事を作ってやらせていたという事だった。

やる必要もない仕事を自分がしている事も分からず、私に押し付けてやらせようとしていたのだ。

 

入社して数か月も経つと、仕事で頼りにされるようになってきた。

そんな頼りにされている私に、経営者はますます接触を取るようになってきた。

そんな状況を見て、先輩はジェラシーが爆発してバイオレンスな行動を取るようになってきた。

私がやった仕事を力づくでむしり取りに来るようになった。

 

むしり取ってグシャグシャになった資料を、「自分がやりました」と言って別の部署に持って行ってしまう。

先輩は本業の仕事から外され、パソコンすら宛がわれていない事は、会社の人達は皆知っていた。

私の名前が印字されたグシャグシャの資料を平然と提出する先輩の行動を、後から私に確認してくる人もいた。

 

ある時、その私からむしり取った資料にミスがあった。

その場で担当者にミスを指摘された先輩は異常なほど狼狽して、私を指さし「あいつがやったんだ!」と叫んだ。

担当は「お前がやったと言って持って来たくせに、何言ってんだ!」と怒鳴り上げると、先輩は「ワー!」と泣き出し私の方に走って来た。

「お前のせいで、自分のせいにされた!」

「どうやって責任を取るつもりだ!」

「どうしてくれるんだ!お前は辞めて詫びろ!」

こんなアホ満載な思考回路なんだとよく分かるセリフである。

 

「すいません、ミスってました?」

「うん、直しておいて」

ミスを淡々と片付ける私の事が理解できない様子で睨みつけている先輩。

責任感のお強い事…。

 

そんな先輩が衝撃の訴えを経営者にしていた事が発覚。

私の事を経営者にチクリに行っていたのだ。

その行為に呆れた経営者にその内容を聞かされた。

「あの子は手間がかかり過ぎて、面倒を看きれません」

「構って欲しいのか、自分にすごく寄って来て迷惑なんですよね」

こんな事を言って来たらしい。

 

それを聞いて、私は開いた口が塞がらなかった。

自分が面倒を看られているというのが分かんないんだ…この人。

衝撃…衝撃…衝撃‼

自分が新入りの面倒を看ているつもりでいるらしい…。

「なんかもう…面倒看たくない…」

そうつぶやくと、経営者は、

「うん、もう放っといていいよ」

 

なんだかんだと他にもこの職場では色々あり過ぎて、結局1年足らずで退社した。

退社して春を迎えた頃、同僚から変な噂を耳にした。

先輩がとうとう発狂したらしい。

裸足のまま会社から奇声を上げながら飛び出し、会社の敷地の真ん中で大きな声で何か叫びまくっていたらしい。

先輩をなだめすかした専務婦人が「あの子、春になると発狂するの」と馴れた様子で、絶句する新入社員たちに説明して来たそうだ。

春のポカポカ陽気で脳みそが湧くとの事。

専務婦人もこの人の面倒を看る担当にされてしまったらしく、元々は専業主婦だったそうだ。

先輩が発狂した時の特殊部隊として、専務に任務を課されてしまったらしい…。

そういえば「なんで私が従業員と同じ制服着せられなきゃいけないのよ」ってボヤいてたな。

何してんの…この人?

転職した時、同時に入社した10歳近く年上の女の人がいた。

入社してから数か月経つと、彼女の奇怪な行動が目に付くようになってきた。

 

私が仕事をやったのを見付けると「持って行ってあげる」と言い、資料を担当の人に持って行くようになった。

担当のところに行くと「やっておきました」と言い、担当に資料を渡している。

「君がしてくれたの…?」

担当は不思議に思ってそう聞いているのだが、「はい、私がやりました。またいつでも言って下さい」とか言っている。

 

皆この彼女の行動にビックリした。

だって、彼女は同じ会社に入社はしているけど、私とは会社が違うのだ。

同じフロア―にいるというだけで、親会社と子会社という配属。

そもそも業種が違うから、やっている仕事が全然違うのだ。

 

目が点になっている私に、親会社の先輩がとんでもない事を教えてくれた。

「彼女、仕事が全く覚えられないの…」

「メモを取るように言っても、メモすら取れないの」

「メモの取り方も全て指示を出して取らせてるんだけど、次の日になるとメモを無くして毎日同じ事ばかり教えているの」

「しかもメモもエンピツも毎回私が渡すんだけど、毎日それを無くしたって言って毎日渡してるの」

「毎日同じ事ばかり教えてるんだけど、自分が毎日同じ事を教えられてる事すら分かってないみたいなの」

多分、彼女が取った奇妙な行動は、周りの人に自分が出来ないのを誤魔化そうとし始めたからだって先輩は言ってた。

同じタイミングで入社した若い私が一人で仕事をし始めた事に焦り始めたのかも知れないと。

 

ワンフロア―の事務所でバレバレの偽装工作をして、それが通用すると思っている彼女は相当頭が悪いのは分かる。

別会社の私の仕事を皆の見ている所で「持って行ってあげる」と言って持って行き、数メートル先に入る担当社員に「私がやりました」なんて言ってるんだから。

そもそも、自分がやった仕事を持って行った時に「私がやりました」なんておかしなアピールする人なんて普通いないし。

 

なぜかこの女は、別会社の私の仕事ばかり取る。

私だけを狙っているようだ。

さすがに自分の先輩の仕事を取るとヤバイというのは分っているのだろうが、後輩が入ってきたけどその後輩の仕事を取る事はなく、別会社のトンチンカンな方向の私の仕事を取っていた。

皆にはもろバレだから、私も彼女をただの運び屋として使っていた。

 

後輩が入って来て、後輩が仕事を1人で出来るようになってくると、彼女は次第に追い詰められるようになってきた。

私のやる事を全て奪ってやろうとしているような行動を取るようになり、終いには私の発言だと言ってもないような事を周りに言いふらし始めてた。

「○○さんの面倒を看てあげてね」なんて言い始めたのだ。

まだ若かった私を利用して「この子の面倒を看てあげている」という振る舞いをし始めた。

無理矢理にでも私の上という立場を作りたかったんだろう。

人と自分を比べて自分が一番底辺になるのが嫌だったんだろう。

 

その会社の中で私は特別な存在に見られていた。

親会社の社員は入社すると、至れり尽くせりで教育してもらえる環境があるが、私の場合は教えてくれる人がほぼ1日中不在という状況だったため、自力で仕事を覚えた。

親会社の人達も経営者も、私の置かれている状況をものすごく心配していたため、仕事が出来るようになった私を特別視していたのだ。

そんな異色を放つ私を面倒見ているなんて言う彼女に、周りの人達は大そう呆れていた。

周りから特別視されている私の仕事を奪い取れば、自分は出来ると思ってもらえると思い込んでいるようだった。

何をどうやっても、出来ないんだよ…

「あのね、自分が簡単にできる事が出来ない子がいるんだよ」

「自分が出来るからって、人も出来るって思ったらダメなんだよ」

こんな事を4~5歳の時に親に言われた事がある。

「出来ない子の分は、自分がやってあげなきゃいけないんだよ」

「自分が出来るんなら、他の子の分も出来るでしょ?」

「出来ない子をバカにする子もいるよね?」

「出来ない子の分を出来ない子は、自分は出来るって思ってるけど本当は出来てないんだよ」

「自分の事しか出来ない子は、出来ない子なの」

「自分の事しか出来ない子は、自分の事すら出来てないの」

「そんな事すら分からない子がいるの」

言われた事が小さいながらによく分かった。

一番仲のいい友達がまさにそれに匹敵していたから。

いつもフォローする私に全ての責任を擦り付けて、全部私のせいにして自分だけその場しのぎで周りの人にいい顔するような子だった。

周りの大人たちには、その子のそんな行為はバレバレだった。

でもその子は、そういう風にしか出来ないのも分かってた。

自分のメンツを守る事に必死になってしまっているのを、幼いながらに不憫に感じていた。

 

この親の発言の根源は自社の従業員を私の環境に当てはめての事。

すごく簡単に言ってしまうと、何をどうやっても出来ない人というのが世の中にはいて、その人をバカにしている人が自分の事すら出来ていない。

しかも、ほとんどの人間がそれだからって言ってるわけ。

もっと大きくなると直球ストレートな表現で同じ事を言われた。

簡単な事も出来ねぇ奴ばっかだからな。

これが、世の中の仕組みだって言われたわけよ。

 

この親の言う事と同じことを中学の教師にも言われた事がある。

学校一勉強をしない人間であると、私はこの教師に戒められた。

「あのな、お前の取ってる点数を一生懸命勉強してるのに取れない子もいるんだよ」

「お前が勉強もせずに簡単に取ってる点数を取った事ない子がいるんだよ」

ロクに勉強もしないから、ロクな点数を取っていなかった私よりバカがいる事に若干ウケる中学生の私。

 

「やってもやっても出来ない子っていうのがいるんだよ」

「勉強したら出来るようになるなんて言ってるけどな、そんなの嘘なんだよ」

「出来ない子はいくらやっても出来ないんだ…これが現実なんだよ」

教師が言うには、成績の低い子ほど一生懸命勉強してるらしい…。

高校受験を控えているから、夜中まで勉強してるらしい…。

勉強すれば出来るようになるなんて言われているけど、それに当てはまらないような子もたくさんいるらしい…。

「かわいそうな子がいっぱいいるんだよ…」

自分よりバカがいる事に嬉しがっていた自分が、教師の言葉に衝撃を受けてちょっと真顔になる。

 

最後に教師に言われたこの言葉が、今考えても怖い。

「お前は恵まれてるんだよ!」

「恵まれて生まれて来てるんだから、ちょっとは勉強ぐらいしろよ!」

冷酷な性格だと言われていた教師が、感情的にこう言ったのを覚えている。

『恵まれてる』って何…⁉

普通に勉強しないバカな子である私に「恵まれている」という言葉が当てはまらないんだが…。

すごい不思議な事を言われて違和感に包まれる。

 

で、勉強した。

教師の言葉に刺激を受けたというよりは、教師の切迫感に「高校落ちるかも…」なんて恐怖を抱いた。

短期間に成績がゴリゴリ上がったけど、あまりにも勉強をしていなかったため、別に不思議にも思わなかった。

成績が上がった私にその教師が、他の生徒に勉強を教える係に私を任命した。

そして、勉強を教え始めて分かった。

「恵まれてる」の意味が分かった…。

 

私よりも成績がいいと自負していた子たちは、勉強をしていなかった頃の私より成績が悪かったことも分かった。

勉強を教えても、何一つ理解できないというのも分かった。

挙句の果てには「お前、何言ってんの?」って上から発言して、周りの目を気にして分かっているフリまでし始めた。

ものすごい真面目な顔して賢そうな事言ってる子が、本当は全然勉強が出来ないってのが現実だった。

ロクに勉強も出来ないというイメージの強い私に教えられる事に対して、嫌悪感を見せプライドを守ろうとして私が教える事を避ける生徒もた。

 

受験の日になると、私と同じ高校を受けると言っていた子が、1人残らず調整にかけられて他の高校を受験していた。

私の周りにいた10人近くの子が、私より点数がいいと言っておきながら、それは全部ウソだった。

「電車代が高いから行く高校を変えた」

「制服がこっちの高校の方がいいから」

「親がこっちの高校にしろって言うから」

全てが嘘って知った後に、こんな言い訳されたけど、全部嘘って分かった。

まだ中学生なのに…言い訳と噓ばかり上手で世慣れしている同級生に驚いた。

一番驚いたのは、この物言いの世慣れの仕方だったかも知れない。

かわいそうな人は、自分のレベルが分からない

高校受験を控えた中坊の時に、教師からさらなる衝撃の事実を聞かされていた。

「クラスで自分のレベルを理解し過ぎているくらい理解できているのはお前だけ」

どういう意味なのかと聞くと、ほとんどの子が自分が行けるわけのない高校を希望しているという。

 

成績のいい子は、レベルの高い高校を第1志望~第3志望に書き連ねている。

自分がアホな高校へ行く事を許さないというプライドがスゴイという。

そして、考えられない事に成績の悪い子も、成績がいい事同じレベルの高い高校を書き連ねているとの事。

全員が志望校に『自分勝手な希望』を込めて書いてしまっているそうだ。

 

志望校を第1志望~第3志望まで、レベル順に書いている計算高いマネをしていたのが、クラスで私たった一人だというのだ。

第1志望に行けないなら、次に行けそうな高校を第2志望にして、それも無理ならそれよりレベルの低い高校を第3志望に入れておくというのが私の考え方だった。

志望高校を第3志望まで書かせるのは、教師が成績レベルに合わせて調整する事も理解した上でやっていた。

でも、他の子はそうじゃなかったようだ。

第1志望に行けそうもない高校を書き、第2志望にはさらに難関な高校を記入、そして第3志望には県下有数の進学校を入れ込む始末。

希望に満ち溢れ過ぎていて、どの高校にも行けない状態…。

 

そんなにどいつもこいつも自分のレベルが分かんないのか…?

 

社会に出ても自分が分かっていない人というのが目に付いた。

「あなたはバカだから~」

「こんな事も出来ないのかよ」

こんな事をたくさんの人から言われまくった。

そんな人達は、私のあっている事すら出来なかった。

こんな人がいっぱいいた。

希望に満ち溢れていて、自分がその希望を果たせるかのような口を叩くのがクセになっているようだ。

もう学校の先生みたいな人はいないという環境で、調整されたり振り分けられたりされないから、余計に自分のレベルが分からないという状況に落ちてしまっていた。

社会に出ると身の程知らずという人が異常なほど多くなる。

自分のレベルが分からない人というのは希望が膨らみ過ぎて、現実が見えず希望に満ちた理想を現実のように話し出す。

自分は仕事が出来る人だと必ず言う。

自分はさも仕事が出来る人間だと思わせるような事を口に出して言う。

そう思われたいって言う希望が、口から勝手に出てくるらしい。

かわいそうな人の特徴

職場でかわいそうな人というのは、ほとんどの人が同じ特徴を持っている。

  • 饒舌でとにかくよく喋る
  • 人をバカにする・下に見る
  • 完璧な人に付きまとう
  • 他人をランク付けしてるっぽい
  • 自分の事で手一杯

なんか知らんが、この手のタイプは世慣れしたような物言いの人が多い。

分かったような物言いを、若い頃からする。

若い頃にはちょっと不自然な、中年のような喋り方をするのが特徴。

中年になってくると、不自然さが無いため、不思議感は無くなる。

 

人を自分の中でランク付けしているっぽいのだが、そのランク付けの中に自分がランキングされていないフシがある。

自分の勝手で完璧な人というのを作り出してしまうようで、その完璧な人の成果を奪い取ろうとしたり、完璧な人の横にいる事で自分は完璧な人の次くらいに思い込んでいる。

でも、その完璧な人というのは完璧では決してない。

自分が何も出来ない人というのは、どこかに完璧な人がいると思い込んでいるだけ。

 

自分の事しか出来ないし、やらせてみると自分の事すら出来ない者がほとんど。

自分がやらなきゃいけない事を、人に押し着せながら生きてきたせいか、人に押し付けるのが巧みである。

人に押し付けやってもらうしか術の無い自分の立場が全く理解できておらず、やってもらっているにも関わらずやっている人間の批評をし始めるようなお門違いな行為を働く事も多い。

周りの人から呆れられているが、自分の置かれた環境を理解で来ていないため、同じことを何度も懲りずに繰り返す。

かわいそうな人がかわいそうなんじゃないんだよ

かわいそうな人っていうのは、自分の事が理解できていない。

これが一番の典型的な特徴だと思う。

だから、かわいそうな人ほど人の事をかわいそうな人だと思い込んでいる。

彼らは常に人より上という立場に自分を置くから、上から目線の思考回路を持っているから。

 

とてもかわいそうな人の周りにはかわいそうな人がたくさんいる。

かわいそうな人の周りには、ちょっとかわいそうな人がたくさんいる。

実は、かわいそうな人って相当数に及ぶ。

 

人間の不完全さを目の当たりにしている人ってのもいる。

会社の経営者もそうで、かなりの数の人間を見て来ている。

教師なんかもそうで、かなりの数の生徒を見て来ている。

自分の会社の社員や学校の生徒を、どうにかしようと悩んだ経験がある人は、どうにかしようとしてどうにもならない人がかなりの数いる事を悟ってしまっている気がする。

 

最近、大人の発達障害が問題になっているけど、そんなの分かり切っている事だって人も多くいるのは事実。

人を見て来ている立場に立っている人は、とうの昔からそんな事は知っている。

今さら「大人の発達障害」って何言ってんのって。

ほとんどの奴が不完全だろって。

 

学校や職場で、周りの人の面倒を看てあげてなんて依頼を受けた覚えある?

こんな依頼を小さい頃からずっと受けて来ている人間もいるんだよ。

自分は出来るなんて思い込んでいる奴に限って、裏で「あいつの面倒見てやって」なんて言われているんだよ。

ハッキリ言っちゃえば、9割以上の人間が不完全にしか生まれてきてないんだよ。

9割どころか、ほとんど100%に近いくらい人間って不完全なんだよ。

自分の置かれた現実くらい、見えるようになれよ。

人間って、ただの出来損ないの生き物なんだよ。

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