社員に目的意識を持たせるためには

社員の持つ目的意識

ある社員の事を管理職たちが話している。

「自分から考えて動く姿勢が見られない」

「受け身の姿勢で待っている」

「自分のやる事に自信が持てていない」

30歳代のこの社員が問題視されるのには、比較対象となった20歳代の社員の存在もある。

 

言われなきゃ動こうとしない社員と、自分から次の仕事を求めて積極的に動く社員。

この2人を比べると、そういう風に映るのかも知れない。

『目的意識を持たせよう』

管理職達が出した結論はこうだった。

 

でもね…目的意識って誰でも持ってるんだよ。

しかも、サラリーマン全員が本来の目的とはかけ離れたズレた目的を持って働いているんだよ。

自分はしっかりと目的を持っている、そう思ってるだけで、どいつもこいつもズレてるんだ。

目的がズレてるから働けるって事にも気付けよ。

本来の目的より自己目的の方が掴みやすい

仕事に対する姿勢で目的を持たせるとしたら、会社という法人が持つ目的を理解させるのが相当だろう。

法人とは『営利目的の団体』である。

そう会社法人の持つ目的とは、利益を得る事でありそれを直球表現すると

『金を得る事』

法人の目的はコレであり、それ以外に目的があってはならぬものである。

 

でも、この目的をサラリーマンはつかめない。

人より働いたところで、それに応じて給料が増えるわけじゃない。

手を抜いたところで、給料が減るわけじゃない。

やってもやらなくても現状はほとんど変わらないからである。

実感が得られない事に目的意識など持てるわけないのである。

当たり前の現実だ。

 

しかし、それをカバーする機能が人間には備わっている。

人って、自分勝手に目的作っちゃうんだ。

人には『自己目的化』っていう機能が備わってる。

この機能はポジティブで前向きに見える事もあるが、基本的に利己主義に走っただけの邪念が元になった機能である。

目的意識は本能による邪念

人というのは、目的を持つと行動する。

生理現象でおしっこがしたければ、『トイレに行く』という事を目的に行動する。

その生理現象に基づいた目的も、「トイレに嫌いな先輩がいる」という状況があると目的は変わる。

トイレに行く事を10分ずらすとか、別のフロアのトイレに行くとか。

いちいち10分我慢したり、いちいち別のフロアまで行こうとするのは、確固たる目的意識を持ったからである。

要らん事を考える奴ほど、目的意識は強いのである。

そして、そんな小っちゃな小っちゃな目的を掴みながら、人って毎日仕生活しているのである。

 

人が目的を持つのは、「自分をどうするか」という事に基づいて持つ事がほとんどだろうと思う。

目的意識がない社員をどうするか考えている管理職だって、自分が管理職だから管理能力問われるから自分をどうするかが本来の目的だろうし。

彼の会社内でのあり方で彼が仕事を続けにくくなるなんて事を心配しているわけじゃないだろう。

彼の生活設計の一つとして、彼のためにしようとしているわけじゃない。

全部、自分のためだけだ。

他の社員からクレームが来ただけなんだよ。

自分を守るために人は目的を持つんだよ。

他の社員の手前、管理職として自分をどうしようと考えたって事よ。

目的意識持たせようとしてる管理職自体が、目的ズレてんだよ。

自分が置かれた環境で目的を持ってしまう

目的意識を持たせたい社員に綺麗事を並べて語って、最後の締めのフレーズで

「もっと仕事に目的意識をも持って~」

こういうシュチュエーションは飽きるほど見てきた。

この行為で出る結論としては、その社員が迷走するのがオチ。

目的意識があるかのような振る舞いをし始める。

でも自分の目的がそれじゃないから、傍から見てると筋違いな事ばかりをしているようにしか見えないだろう。

 

なぜ、筋違いな行動をし始めるのか。

それは、相手に求められたから。

相手に何かを要求されると、人はそれを提供する事を目的にしてしまう。

見えもしない目的を持てと言われると、持っているフリをするしか術が無くなるんだろ。

 

目的意識を持つ者には、相手の欲している物を提供しようとするって目的を持つ者がいる。

でも、会社の中で欲しているものがズレている人が多いって気付いてるか?

  • 自分に対する態度
  • 謝罪・労い
  • 暑苦しいスピリッツ

自分に対しての応対を求める社員がたくさんいる。

サラリーマンを持ちあげても、金にはならない。

サラリーマンに謝ったところで、何もどうにもならない。

しかし、こういう事にだけ重点を置くバカな働く人たちがいるのである。

 

業務を主体として仕事をしているのではなく、自分を主体としてしか物事が見られない人間だ。

業務ベースではなく、人ベースで物事を判断しているわけよ。

人ばかりに意識を向けて、しかも人間が本能的に持つ『自己目的』って機能を利己的に発動させてしまう。

『お前は俺に対してこうであれ』

俺さまを目的にしろというのが、人ベースで業務を進めようとする目的意識の持ち方。

 

サラリーマンのほとんどが目的を『人』に設定してしまっている。

誰かさんに怒られたくないから、この仕事をする。

誰かさんに褒められたいから、これは自分がやる。

こんな感覚しか持ってない。

自分の視界に入ってくる誰かさんのために仕事するバカばっかりなのだ。

 

自分の前にいる同じ会社の社員に対して、何かを提供しようという事に目的意識を燃やすんだよ。

自分が目的見失ったような行為を働くと、周りの人間は必ずお前の言動の動向を目的にしてしまう。

目的の持たせ方

「トイレに行きたい」

こういう風に表現すると、トイレが目的のように思えてしまう。

でも、トイレに行くのを目的にしてしまうと、「何のために?」と誰もが思う。

何のために、何をするか。

『何のために』という思惑が目的で、『何をするか』が行動となって成果が出る。

おしっこがしたいから、トイレに行く~という事。

おしっこが目的で、トイレは目的を達成するための行動。

 

でも、そのトイレに怖い先輩がいると目的を果たす障害となる。

それでも目的を達成しようと、時間をずらしたり場所を変えたりと余計な頭を使うのである。

 

基本的にサラリーマンが持つ目的はこれらが元になっている。

  • 自分が得するかどうか
  • リスク(損)が無いかどうか

人は相対的に物事を捉える。

相対的に物事を捉え、それを行動に移し絶対的な状況を作るという為体な行為が目立つ。

 

10万円の給料と50万円の給料なら、絶対的に50万円の給料の方が得である。

しかし、10万円の給料の者が仕事量や仕事内容が軽めだと分かると、50万円の給料の者は10万円の給料の者に自分の仕事を押し付け始めるのである。

10万円しか給料を貰っていない者に、50万円の給料と同じ負担を強いる。

そうしないと、人というの気が済まないのである。

そして人というのは相対的に物事を捉えるため、自分とコイツの仕事量で自分の方が少ないという事に得を感じる。

給料10万円の方に仕事をたくさんやらせ、給料50万円の自分は仕事を放棄する方向へ持って行く。

 

自分ばっかり大変な仕事をやらされてると不満を感じ。

人に仕事を押し付けると、今度は仕事を放棄したが故にリスク回避という特典を得る。

「あいつがやった」で全てが済ませられるこんな状況を、アホなサラリーマンはこう感じるようになる。

『自分は偉いから』

サラリーマン特有の謎思考回路の出来上がりである。

目的が自己保身になったら終わり

仕事をする場で目的意識を持っていないように見える社員ほど、確固たる目的意識を持っている。

それがどういう目的意識なのかというと…

『自己保身』である。

 

失敗しない有能な人を演じなくてはという目的を持った者は、仕事そのものから逃げ腰になってしまう。

すると「仕事に対する姿勢」という面から、目的意識が薄いという判断をされる。

しかしながら、エリートを気取るのが第一に優先すべき事項という確固たる目的をこの手の社員は持っているのである。

 

自分に責任があるといいう状況を嫌う社員は、自分から率先して仕事をしようとしない。

他者に全てを判断させ、人から言われた事を自分はやってやっているという口を叩き出す。

すると「自分が任された仕事を他人事と受け止めている」と判断され、目的意識がおかしいと周りの人に感じさせる。

しかしながら、責任逃れで自分を守る事に必死になっているこの社員ほど、目的意識の強い者はいないのである。

 

仕事で隣の社員が手一杯になっていても、自分の業務は完結させているとアピールが始まる。

会社の仕事が完結しなくとも、自分が完結している事が重要であるという感覚。

「仕事そのものが理解できていない」という判断をされ、目的意識がおかしいと誰もが思う。

しかしながら、社内で一番優秀でありたいという目的を持つこの社員は、他者が失態を犯す事を常に望んでいるのである。

 

自分の第一に優先するべき目的が『自己保身』になった社員は終わり。

自分が所属する組織の中で、自分を守ろう自分を逃がそうとしなくてはいけない人になってしまっている。

何から逃げなくてはいけないのか…。

何から自分を守ろうとしているのか…。

と、不思議には思わない。

だって、日本の企業にはそういう風に思わせるだけの環境があるから。

目の前の社員から自分の身を守らなくてはいけないのが、自分の仕事になってしまう環境が実際あるのだ。

 

なぜか、隣の席に敵がいたり、上司が同期の社員達を争わせるように唆したり…。

社内で一番にならないと、自分の存在そのものが否定されるという状況下にいつもさらされ続けているのである。

自分達が作り出した環境が、社員達に奇妙な目的意識を植え付けてしまっている分けである。

 

サラリーマンは会社法人の持つ目的が理解できない。

掴みどころのない実感の湧かないような事は、人は目的にできないから。

自己目的化で勝手な目的を各自が作り出してしまう事が原因で、社員がおかしな事を目的とした行動を取るのである。

目的意識をしっかり持ったように見える社員のトンチキ発言やトンチキ行為が、社員の行動をおかしくしてしまう。

やるべき事すら分かってないという行動を取るようになる。

 

所詮社員という個人が持つ目的は、本来会社が持つ目的とは違う。

「早く仕事を覚えて一人で何でも出来るようになりたいです」

なんてポジティブな発言をする新入りだって、本当のところは

「先輩にいつまでもくっつかれてたらウザい」とか

「上司が凝視してくるのがキモい」なんてのが本音。

何か面倒な物を避けて通ろうというのが、大抵社員が考えてる目的なのだ。

目的は変わらなきゃ慢性化して目的じゃなくなる

会社というところには、自己目的化のエサがたくさん撒いてある。

歩合給というエサを撒けば、仕事を確保してくる。

金欲しさに。

肩書きや立場を持った者が褒めてやれば、褒めてくれた事を皆がやろうとし始める。

褒められるためだけに。

目上の人間から渡された仕事は何がなんでもやろうとする。

優先順位を無視してでも。

 

社員達はエサが欲しくてたまらない池の鯉のようになる。

他人より金は欲しいが、自分は何もしたくない。

常にこういう事を自己目的としようとする人間をうまくコントロールできるエサを撒かなくてはいけないわけ。

いくら金を多く渡しても、仕事はしたくない。

満足させたはずの状況を作っても、その状況に不服を抱き始める。

給料が50万円の社員が給料10万円の社員に、何もかもを押し付け責任を問い始める。

 

エサを撒いても得られるのは、一時的な自己高揚感だけ。

直ぐにそのエサを食べ飽きて、不服を抱き他者に損をさせる状況を作り上げ、自分が得をしたという錯覚で自己高揚感を得ようとする。

慢性化するようなエサを撒いても、目的は持ち続ける事は不可能という事。

本来の目的を理解しないまま、自己目的ばかり持たせても社員は迷走行為を働くだけ。

自分にとって会社が何かすら分かんないようなのを、自社の社員としてしまったわけだな。

誰かにとっての商品を自分だと勘違いしてるような社員は、迷走自己目的を保有している可能性が高い。

同じ会社の人間に自分を売っても金は得られない。

営利目的の法人企業にそぐわない行為である。

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