社員達の間で漂い始める『追い出し臭』

追い出し臭

職場で喫煙する私は、事務所と現場双方の雰囲気を知っている。

事務所にも喫煙室はあるのだが、現場の喫煙室で休憩を取っているからだ。

元々、事務所には1人しか喫煙する者がおらず、その人物が肩身が狭いという理由で現場の喫煙所を使っていたため、私もその流れに乗っかって現場の喫煙室を使うようになった。

ただの成り行きでそうなっただけなのだが、今となっては社員全体が作り出す、その場その場の雰囲気や空気が掴めるため、距離はあるけど良かったなと。

 

そんな中、今私が気になっているのが、社員達の間に漂う嫌な空気。

『追い出し臭』である。

特定のカテゴリーを自分達で用意し、そのカテゴリーに当てはまる特定の人物を、会社から追い出そうという空気が社員達の間に流れるのである。

今、これが微かに流れている気がする。

サラリーマンがやる社員追い出し行為

この『追い出し臭』が職場に流れている事は、決して珍しい事ではない。

大手メーカーでは殊更漂いまくっているような空気である。

どこの職場でもサラリーマンたちは、他人に対して追い出し臭をムンムンと発生させているのだ。

 

こういう空気が社員間で漂う原因はというと、私の見解ではこれだ。

  • 社員評価で社員同士を比べ優と劣に分ける
  • 社員への叱責で責任転嫁を遂行

こういう行為が繰り返されるため、自分の存在に自信が持てないような人材ばかりになってしまうのだ。

自分の存在に自信が持てなくなった社員というのは、他の社員に対して責任転嫁をしたり罵声を浴びせたりし始める。

ある程度、自分の存在を正当化するために利用する社員は、この段階で特定してしまう。

 

そして、追い打ちで次の段階がくる。

  • 会社の資金繰りが出来ないと社員を叱責
  • 社員の存在が会社の負担だと公言

 

自分の能力の欠如を咎められ、会社の資金繰りの事まで言われる。

こういう状況を作り出すと、社員達は途端に特定の人物を追い出そうと追い出し臭を出し始めるのだ。

自分が切り捨てられるのが怖いため、代わりに誰かを追い出す事によって、『原因を排除しました』感を醸し出すという考えに至るようである。

 

自分が能無しだと言われたにも関わらず、誰かを能無しに仕立て上げて「対処しました!イエスサー!」みたいな誤魔化しをしようとするのである。

しかも、追い出しの標的にする人物を特定してしまうと、途端に周りの社員達が次から次に便乗して来るため、どんだけ能無しばっかりの組織やねん…と呆れるばかりである。

 

また別パターンとしてこんな場合もある。

特定の社員が能力を役員や立場のある人間に認められた時である。

芽が出始めた事に他の社員達が気付くと、早々に摘み取ろうとするような事も珍しくない。

新入社員が入ると、彼らは芽が出ないように種を叩き、それでも芽を出すと土からほじくり出して捨てようとするのである。

 

これらの行為は全て、自分の存在に不安を感じているからなのである。

不安定な存在の社員が醸し出すのが『追い出し臭』なのである。

管理職が社員達と繰り広げる追い出し行為

自分の存在に危うさを感じ、追い出し行為に走るのは平社員だけではない。

管理職が平社員と一緒に繰り広げてしまうのだ。

業務そっちのけで、追い出し行為に時間と熱意を注ぐ。

肝心な業務を熟しているのは、追い出し対象とされてしまった社員だったりする。

要するに、仕事をしないサラリーマン達に、仕事してるサラリーマンが追い出されるという構図。

 

どうしてこんな事が起きるのかというと…

本社や役員なんかから、業績を叱責された支店や地方の事業所の管理職が、自分が叱責されて地位が危ぶまれるという状況に置かれた事に感情的になり、その自分本位な感情を社員達にぶつけていく。

管理職から子供染みた感情をぶつけられた社員は、その感情の矛先を他の社員に向け、他の社員に全ての原因があるかのように言い訳をする。

この管理職と社員の行為の根源は、自己正当化に他ならない。

自分に否は無いという言い訳に信憑性を持たせようとして、他人の名前を持ち出す事で具体性を持たせようとしているのだ。

 

そして、そんなサラリーマン個人の身勝手な自己の正当化行為で、特定の人物の名前が挙がると周りの社員達は一斉にその行為に便乗し始める。

その彼らが作った状況が虚偽であると分かっているような時でも、自分を守るために他の社員は次から次に便乗するのだ。

特定の人物を確固たる標的に仕立て上げれば、自分が標的になる恐れがなくなるからだ。

 

このような心理状態の中、標的となる社員が特定されると、それはそれは奇妙な行為を彼らは働き始める。

自分で周りの社員達の同調を煽り、今度はその周りの社員の同調心に縋りつくように、追い出し行為に必死になってしまうのだ。

自分の言いがかりを応援してくれる周りの社員に心が依存してしまうようなのだ。

他の社員に向けて、特定の社員の事を話題に出し、その話題に他の社員達が便乗して来る事で、自分の作り出した言いがかりに確信を持てるようになり、確信を持つ事で、自分が作り出した言い訳の言いがかりを臆することなく公言し始め、終いには行動に移す。

そういう行為を行う者は、全員がそのような心理状態に陥っているため、その行為は集団でおこなわれる。

 

会社での自分の存在にそんなに不安を感じているなんて…

その会社から捨てられたら、もうどうも出来ないような人材って事じゃん。

そう、自分で言ってるようなもんじゃん。

追い出し臭でムンムンした会社

今いる会社に来たばかりの時、会社の中は『追い出し臭』でムンムンしていた。

追い出しの対象とされていた特定の人物の中に私も入れられていた。

こういう場合、基本的に会社に帰属している期間が間もない人間たちが対象となりがちだ。

 

会社経営があまり理解できていないサラリーマン思考の人間とというのは、勤務期間の長さに人材価値を見出しがちである。

金のかかる人間に対しての生産率が人材価値だとは思っていないようで、大量リストラで中年が標的になるという事実を見せつけられても、その考え方は変わらないようである。

考え方が変わらないというより、高給取りの老いぼれカテゴリーに自分達が属しているため、それを否定したいだけなんだろう。

 

自分の落ち度を誰かのせいにし、その誰かを組織から消す事で、全ての原因がその誰かであったという事にしたがるのだ。

自分は仕事に対処せず、なぜか仕事で何か起きた時に人事面で対処するという謎の行為を働こうとするのだ。

 

どうして、社員達がこぞってそんなバカなマネをするか分かるか?

人事評価を設けたような企業というのは、社員と社員を比べる事を管理職が自分の業務だと勘違いを起こしがちだ。

そんな勘違いを起こした管理職の元で下に付く社員も、人を比べ批評を述べる事を会社にとって重要な事だと思い込む。

だから、組織の中の人間のほとんどが、金にもならないそんな事ばかりに時間を注ぐようになってしまうのだ。

下っ端にやらせて、自分は傍観して批評してるだけ。

人事評価制度を設けた企業は、社員のほとんどが人事評価を自分の仕事にしてしまっているんだよ。

それが私の今まで見てきた現実だ。

人と人を比べて感想を述べて稼げる金があるわけないんだがな、通常は。

しかし大手企業というのはそれを自分の仕事にしている人間が本当に存在するから、社員も大きな勘違いを起こすんだろう。

 

人事評価制度なんか設けていない企業でも同様の事態が起きる。

人ってのは馬鹿だから、本能的に見た物を比べるって性質が備わっている。

やっても何の意味もないって時でも、そんな事をやろうとするんだよ。

その場で自分のやるその行為に『全く意味がない』って事に気付けないレベルの人間が多いんだ。

多過ぎるんだよ。

 

この会社は追い出し臭でムンムンしていた。

会社の中は、叱責・押し付け・逃げ・非難・否定・因縁・言い訳・責任転嫁・責任追及・陰口で皆が皆忙しそうだった。

それらの行為が全て金を生む事ではない事すら分からない人たちばかりだった。

本当に社員達が毎日のようにこんな事に忙しそうだった。

この行為にどれだけ巻き込まれた事か…。

 

肩書きを持った社員は、平社員に矛先を向ける。

大卒は高卒に因縁をつけていく。

年上は年下に理不尽なマネをして嬉しがっている。

男性社員は自分が置かれた状況の不満を解消しようと、女性社員に八つ当たりをしたかと思えば。今度は自分の世話をさせて満足感を得ようとしていた。

挙句には社員に因縁を付けられた下請け業者が、元請けである取引先の女性社員に因縁を付けに事務所に何度も来る始末。

そんな状況でも男性社員は、そんなのはいつもの事とばかりに知らん顔で理不尽な状況に対処もしない。

当たり前ではない状況を当たり前として長年やって来たというのがありありと分かった。

今いる会社の社員達は、人材レベルが異常なまでに低いんだ。

まぁ、今まで見てきた企業のほとんどが同レベルなんだがな…。

これが日本のサラリーマンの通常モードだ。

異常な状態が通常なんだ。

追い出し臭が流れ始めた理由は

ムンムンしていた追い出し臭だったが、それはここしばらく消えていた。

業務で重大な失態が色々とあり、クソ偉そうな態度に出れなくなった彼らに、私も追い打ちをかけた。

「この会社の職場環境が異常なまでに悪いのはなぜだ?」

こんな質問を管理職や社員達に問いかけていったのだ。

 

年増社員というのは、こういう質問に動揺しがちだ。

なぜなら、他の組織がどんななのか全くしらないから。

自分達のやっている事を否定されても自信がないため言い返せない。

 

入社して来た新入りに「お前は何も知らない」という罵倒をサラリーマンはよくする。

自分はこの組織の事をよく知っているという顔をするのだ。

この組織のよく知っているという物言いは、言い換えるとこの組織しか知らないという事である。

外の世界を知らない社員に「お前たちのやっている事はおかしい」と言えば撃沈する。

本当は、どこの会社の社員達も同じ事しかやってないんだけどね~。

 

私なりに色々と試みて、ムンムンと蔓延していた追い出し臭は消えていた。

でも、再びそこはかとなく漂い始めた追い出し臭。

原因はこんなとこだろう。

  • 異動でキャラの分からない管理職に変わる
  • 仕事が激減
  • 残業規制に具体性が伴ってきた

異動でキャラクターの掴めない人物が来るとなると、身の危険を感じ始めるのがサラリーマンというもの。

現実に異動して来る管理職も慣れない状況や社員の反応に対してパニックを起こしやすい状態。

パニックを起こした管理職に怒りをぶつけられるなんてのは珍しい事じゃない。

さらには、本社から成果を求められる管理職は成果を出す事に焦り、焦りが社員達への攻撃となるなんて事もよくある。

 

こんな事を幾度となく体験している社員達は、その不安から仕事で何かあった時の諸悪の根源を前もって作ろうとするのだ。

特定の人物の名前を持ち出しそれを皆で共有すれば、来たばかりの管理職は皆それを信じ込むバカばかりって事もよく知っているんだよ。

怒られる奴ってのは、諸悪の根源にする自分の保身のために利用する人間を欲しがる。

本社から叱責される管理職は、それを一番心の底から欲しがる人間だからな。

 

仕事が激減してくると、仕事を盾に人間を攻撃するという常套手段が使いにくくなる。

ロクに仕事をせず時間熟しの意味のない事ばかりやって来た自分にスポットライト当たる事を恐れ、他人にスポットライトを当てる照明さんになろうとする社員が増える。

仕事してねぇ奴は、いつも仕事してる奴をスポットライトで必死に追いかけて照らしている。

私が今まで見てきたサラリーマンは、そんな事をしているイメージしかない。

 

前にいた管理職は、残業規制の意図が理解できておらず、まともな説明が出来なかった。

まともな説明が出来ないどころか、残規制の最中残業の美学を語るようなバカだった。

それが異動でやって来た新しい管理職は、本社からの指示を明確に社員に伝えてきた。

今までさほど仕事量もないのに社員全員で残業に勤しんでいたその残業代は、他の事業所の売上げをこの事業所が上げたという書類上の操作をし続けていたという事実も聞いた。

社員達に残業を止めさせるために、各部署ごとに人件費の予算が組まれるようになった事も。

とうの昔っから、事業所の売り上げに対して人件費が賄えていなかったのが事実だったって事も。

全体の組織の規模が大きかったから、そんな誤魔化しが出来ていたってだけの事。

そして、そんな誤魔化しがもう出来ないってのが今ある現実だって事を聞かされた。

 

自分達が今までやって来た事がいかにバカだったか知らしめさせられたわけ。

自分が他者に対して浴びせかけてきた要求が全て間違えてたわけ。

自信を持って正義感を持ってやって来た事全てが、今の会社を貶める行為だったって事。

 

追い出し臭が漂っている。

でも、なぜか今回は特定の人物が特定されてはいない様子。

多分、社員達は自分たちのやって来た事がうしろめた過ぎて、他人のせいにも出来ない状態なんだと思う。

自分のやって来た事というか、自分という存在が後ろめたいんだと思う。

追い出し臭を漂わせたがるにも関わらず、自分に否があり過ぎて大人しくなる。

 

追い出し臭が漂いそうで漂わない。

今、そんな状況が続いています。

追い出し臭じゃなくて、リストラの予感なのかも知れないですね。

とにかく目立たないようにしようとしているのでしょうか。

あれほど好きだった残業を全くしようとしません。

ちゅうか、定時前にタイムカードの前で待機してる社員が多いんだけど…。

残業をすると多端に本社に目を付けられますから。

 

追い出し臭を噴出して来た社員達が、追い出され臭を感じ始めたのかも知れません。

自分達がプンプン臭わせていた追い出し臭がどんな臭いなのか、身を持ってとくと知るがいいでしょう。

自分達に追い出し続けてきた人がどういう思いをしたか、とくと知るがいいでしょう。

今度は自分達が組織から、追い出されてしまえばいいでしょう。

本社が下す決断に私は期待しています。

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