職務に対する態度「査定の時期ですね」

会議室に呼ばれた2人の社員

会議室に2名の社員が管理職に呼ばれ、数時間出て来なかった。

2名の社員を呼んだ管理職は、会議室を出たり入ったりとウロウロしている。

管理職と話があるのではなく、その社員2名は本社の人間に呼ばれたようだ。

 

そして、会議室から戻って来た2人は、非常に大人しかった。

何をしていたのかは知らない。

でも、明らかに様子はおかしかった。

 

立場の高い社員に構われる事に喜びを感じるタイプの40歳代の社員は、本社の社員などとやり取りをすると、必ず会議室から出てくるとニヤニヤと嬉しそうにする。

会議室から偉そうな感じで出てきた時なんかは、他の社員の事を分かった風に本社に何か言ったんだろうと想像付く。

自分の事を誤解しやすく、考えている事が態度にそのまま出てしまうような単細胞なのだ。

この単細胞が今回は落ち込んでいた。

降格?降給?

会議室に呼ばれた社員はこの2人だけ。

他の社員は誰一人として呼ばれてはいない。

この2人は部署も別のため、この2人がセットで呼ばれるなんて事は、これまで見た事もなかった。

 

彼ら2人が会議室に呼ばれるに至るまでに、妙な光景を見たように思う。

管理職が彼らの職務に対する態度にアクションをかけていたのだ。

 

40代の社員は、自分の仕事はコレだけと自分で勝手に決めつけ、頑なななまでにそれしかしない。

「自分の仕事は責任ある仕事なんだ」

「この仕事は自分じゃなきゃ出来ない」

こういう頭の持ち主のため、他の事は一切知らん顔。

会社という組織の中で『自分は関係ございません』を自信満々でやっちゃうお人なのである。

 

色んな事ややった事もないような事をやらせると、尽く失態を犯してしまうタイプであり、「自分はこれしか出来ない」が年齢と共に横柄さを増し、「自分はこれしかしない」に調子良く変化していったのが手に取るように分かる。

 

ある頃からこの社員はその「自分はこれしかやりません」という態度を止めた。

多分、管理職から注意されたのだろう。

事ある毎に、その事態に対応すまいとパソコンのディスプレイに顔を沈め、椅子に噛り付くようなポーズを取り、「自分は気付いていません」という体制を取っていたせいで、気付いている事が丸分かりだったそんな彼が、事ある毎に立ち上がるようになった。

職務に対する態度を急変させたのだ。

 

しかしながら…現実とは残酷なもので…。

何かあると駆けつけるのが、他の社員たちの方が早いのだ。

誰も彼など当てにせず仕事をしてきたため、彼が立ち上がった所で誰も対応するなんて思ってもいないのだ。

立ち上がって行こうとはするが…出番は来ない。

それでも、毎回立ち上がるが…彼を当てにする人はいなかった。

 

私も彼が立ち上がって対応しようとしているのは知っていた。

でも、どうせすぐ止めるだろうと当てにはしなかった。

歩いて行く彼を追い越して全部私が対応した。

「あいつがやらない」と全て私のせいにしてきた彼の教育方針の賜物が私である。

 

対応しようとするが、当てにされず席に戻る。

すぐ止めると思っていたこの行為が、もう数か月続いている。

業者のトラックが入ってきた時点で対応に出ていく私と、業者が事務所に入って来てから対応しようとする彼では、トロトロ歩く私の方が対応が格段に速いのである。

立ち上がって走って行こうとする彼は、トロトロだるそうに歩く私に出番を全て奪われるのだ。

これが、彼が私に施した「あいつがやらない」の教育の成果の賜物である。

 

出番を全て私や他の社員に奪われるというやるせない状況を頑張って続ける彼を不思議に思っていた。

おプライドの高い彼は、そんな事を頑張る性格ではないからだ。

そして、とうとう会議室に呼ばれ、しょげて帰って来るって事があったわけだ。

職務放棄した社員

出番もないのに頑張る40代社員と一緒に会議室に呼ばれたのは50代社員。

この50代社員は、この会社の中で一番年上。

 

この50代社員も職務の態度を注意されていた。

しかしながら男の世界というのは微妙なもので、年上のこの社員にはっきりと物が言えない管理職。

注意しているんだろうが…遠回し過ぎて注意されてるとは思ってもないんだろうな。

 

こいつは自分の職務を放棄して、他所の部署がやる事をせっせとやり続けているのだ。

彼がやろうとしている事が大掛かり過ぎる事を知った管理職が

「それ、大掛かり過ぎるから…下請け業者呼ぶから」

そう言うと、50代社員はハッスルした表情で「大丈夫!このくらいなら俺は出来るから」とキッパリ断る。

 

そんな状況を見て『状況読み出来ねぇんだな…この人』なんて思ってた。

「こんな大掛かりな事やってたら、業務に差し支えるよ」と、これまたやんわり管理職はたしなめるが、言い方が注意じゃなくて彼をいたわっているように聞こえてしまう。

これでは注意にならないな。

 

すると管理職が自分を心配してくれている、自分に気を使ってくれていると感じてしまったのか…。

その大掛かりな事を事細かに説明し始めた。

「これはこうやれば大丈夫だと思うんです」

「これとこれを購入して交換すれば上手くいくと思います」

「1人でも出来ますよ」

出来る出来るが止まらない彼は、非常にハッスルした表情で発言にも活気がある。

 

そんな活気に押され気味になる管理職がそれでも抵抗する。

「やるのは簡単でも多すぎるから…下請け業者呼ぶから…」

「下請け業者が5人掛かりくらいでやるような事だから…」

すると50代社員はこう振り切って事務所を出ていってしまった。

「大丈夫☆やれば出来るって」

 

それお前の仕事じゃないって言っているのに、「やれば出来る」と筋違いなポジティブの押し売り。

鈍いオッサンの強さよ…。

そんなこんなのやり取りから10日ほどして、彼は会議室に呼ばれる事となる。

悪い評価を頂いたに違いない

2人の社員が会議室に呼ばれたのは2月。

人事評価が自分に下される時期って4月。

ちょうど、査定してる頃なんだよね。

 

悪い評価が出れば、その悪い点を再教育再認識ってのを施されるはず。

結果が悪い場合、結果を突き付ける前に事前に説明されるんだよ。

「お前のここが原因だ」って。

 

実際それをされたかどうかは知らないよ。

だって…そんなの聞けないし。

時期的にコレだろうな~、表情的にこうだろうな~ってだけの事。

 

でもね、50代社員が自分の仕事放棄して自分勝手にやってる別の部署の仕事って…。

契約社員がやってる業務なんだよね~。

契約社員の仕事を正社員が横取りしてせっせとやってたら…給料減らすしかないでしょ?普通、こんな奴。

 

しかも…この50代の男、事もあろうに管理職なんだよ。

管理職手当付きの給料貰って、契約社員の仕事横取りしてやってんの。

呆れるだろ?

月給50~60万貰ってるような奴が、時給千いくらの人の仕事を横取りしてやってるわけ。

 

そして、もう一つ気になるのが…元々その仕事をしていた契約社員、最近見かけなくなったんだよ。

隣の事業所に配属されている部署だから、よくは分んないんだけど。

 

そもそもこの50代の社員、管理職らしい事は何一つしているのを見た事がない。

そのせいで、彼の役職名はほとんどの社員が知らない。

彼の部署の責任者としていつも呼ばれるのは、彼よりも若い管理職の方。

業務の会議で彼が呼ばれるのは、1度たりとも見た事がない。

 

40代社員は過去に降給してる事実がある。

彼が私に対して「自分は大学を出てる」ってしつこく言ってきてた理由が分かった。

大卒なのに降給して、高卒と同じ給料なんだよ。

もし、これをさらに減給されたら…高卒以下の人に認定されたという事になる。

 

社員をほとんど解雇しない風潮がある会社で、給料減らされるって…。

「お前、要らん!」って言われてるのと同じ事じゃん。

 

そういや…この会社のボケナス管理職も減給された事あるって言ってたっけ…。

いくらロクでもない事しても、社員を解雇しないようなぬるま湯体質の企業で減給処分受けるってのは。

それ、「会社から出てけ!」って意味なんだよ。

会社側が解雇って既成事実作りたくないだけで、自主退社しろって意味なんだよ。

そういう会社側の意図が汲み取れないんだよね~、サラリーマンって。

会社の状況読み取れよ

今、この会社は状況が悪い。

どう悪いのかは言えないが、この1年で激変している。

 

そんな状況の中で、「自分は今まで通りの事をしてるだけ」なんて思ってるなら甘い。

自分が変わっていなくても、会社の状況が変われば、会社はその行為を許してはくれないんだよ。

 

「自分はこの会社に何十年も勤めている社員だから~」なんて自負は持つな。

何十年も勤めているからこそ、標的になるんだよ。

やってる職務を給料の額が追い越してしまった社員が、会社が狙う格好の的なんだよ。

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